OPST FLUOROCARBON TIPET
OPSTからフロロカーボンティペットが発売になりました。
私がこのティペットのプロトタイプ版を見たのは一昨年のサンスイさんの
トラウトフェスタでした。
完成系間近と思われましたが、このフロロカーボンティペットが
商品化され、出荷されたのはさらに1年後のことでした。
ナイロンティペットとフロロカーボンティペットってどう違うの?
まずは、おさらいから♪
ナイロンティペットは、文字通りナイロンです。
米国のデュポン社で開発されたのが世界初の合成繊維(6,6ナイロン)です。
このあたりは、私、化学科卒業ですので、語り出したら止まらなく
なりますのでこの辺でやめます。(^◇^;)
釣り糸としてのナイロンの特徴は、透明度が高く、比重が水よりも軽く、
強度が高く、伸縮性に優れている。
この伸縮性が良いんですよね!!
当たりがあった際にアワセ切れが無い!とよく言われますが、
それよりももっと大事なのが結束した際の耐久性です。
ナイロンは、耐摩擦性と耐光性、すなわち紫外線に弱いのが欠点ですが、
最近は、コーティング技術や原料段階で耐光性の高い素材を混ぜ、
耐摩擦性もかなり上がっているそうです。
伸縮性があるためノットで結束しても強度が落ち難いという性質があります。
一方、フロロカーボンの特徴は水よりも比重が重く、透明度はナイロンより
低いものの、光の屈折率が水の屈折率に近いため、水の中では、ティペットの
存在を消すことが出来ます。
スイング系のフライフィッシングの場合は、比重の重いフロロティペットが
必須になります。耐光性が高く紫外線の影響を受けません。
さらに、水をほとんど吸水しないという特徴があります。
フロロティペットの弱点としては、伸縮性と耐摩耗性と言われてます。
この弱点は、釣りの場合、結束部分!つまりノット部分への影響が
大きいのです。
ノットについては、下記ブログで記載しました。
この中では触れていない結束強度最強と言われているノットがあります。
ノンスリップ・モノループノット(ラパラノット)です。
ノットの結び方は下記を参照して下さい。
もともと、ソルトウォーターで使われているこのノットは、
結束強度は最強なのですが、コブがいっぱい出来る分、
ナイロンティペットのように伸縮性が高いものでは
結束後の直進引っ張り強度は高いのですが、フロロティペットの場合、
伸縮性と耐摩耗性の弱点をもろに受けてしまいます。
仲野さんによれば、直進引っ張り強度は、フロロティペットを
そのまま引っ張った時と比較し、半分以下、3割程度の強度に
なってしまったこともあったとか…
この最強ノットをフロロティペットで結束させたい!!
米国のスチールヘッダー達が満足するティペットを作りたい!!
そんな思いでティペット開発をはじめられたようです。
ナイロンやフロロカーボンは、樹脂メーカーからペレット状になっている
ものを購入します。この時点でも多くの選択肢があります。
ペレットには様々な特徴を持つ商品がたくさんあるようです。
この後、原糸メーカーが熱を加えて溶けたものを
糸にしていきます。この時の温度と溶かす時間によってラインの特性が
変わってくると言われてます。
ティペット開発は数年にわたり、コーティングを変えたり、素材を変えたり、
原糸メーカーの多くのサンプルから試行錯誤し開発されたようです。
直進性強度は一定だが、弾性がある素材を使うことでノット部分への負担を
軽減させることがわかり、フロロカーボンティペットでもノンスリップループで
結束可能な商品を開発されたとのことです。
結束時の摩擦熱にも考慮し、表面は非常に滑らか、スベスベのコーティングです。
低温時、高温時等、様々な環境でポンドテストを行いようやく今年、
商品化されました。
フライをループで結束する!シンクティップとループ to ループで
結束する♪ 耐摩耗性に優れてますので様々なノットを結ぶことが
出来るようになります(^_-)-☆
ラインが中に入ってしまった時に取り出しやすいようにゴムに
つまみを付けたり…この辺は流石ですね。
3X~-3Xまでの各サイズがあります。
残念ながら4x以下のもののはありませんが、
まぁ、呆れるくらいこだわって開発されたこのティペット!!(^◇^;)
ダブルハンド、シングルハンド問わず、ストリーマー、ウェットフライの
スイングの釣りではこればかり使うことになりそうです。
追伸…
今調べたら、他のフロロティペット製品の同じ号数より引っ張り
強度が高いんですね(^◇^;)
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